• 日本語
  • English
  • 中文
  • 한국어

地金(じがね)とは?ジュエリーの価格を決める金属の完全ガイド

&.,cast
監修:&.,cast(アンドキャスト)技術チーム
東京・御徒町のジュエリー鋳造工房/日々あらゆる金種の地金を扱う素材の専門家

この記事は、御徒町でジュエリーの鋳造(キャスト)・仕上げ・石留めを手がけ、金・プラチナ・銀など多様な地金を日常的に取り扱う&.,castの職人チームが、現場の実務経験にもとづいて執筆・監修しています。

この記事の要点(3行まとめ)

地金(じがね)とは、加工前の金属素材そのもの。ジュエリーは地金を鋳造などで加工して作られます。
ジュエリーの価格は「地金代+加工賃」で決まり、地金代は国際相場と為替で日々変動します。
純度はK(金)やPt(プラチナ)の数字で表記され、数字が大きいほど純度が高くなります。

「地金(じがね)」という言葉を、ジュエリーの購入やリフォームの際に耳にしたことはありませんか。あるいは、ニュースで「金価格が過去最高値」といった報道を見て、自分のジュエリーの価値が気になった方もいるかもしれません。

地金は、ジュエリーの価格・品質・価値を理解するうえで欠かせない基礎知識です。しかし、K18やPt900といった表記の意味、価格が決まる仕組み、相場との関係などは、意外と正確に知られていません。

この記事では、御徒町で日々さまざまな金種の地金を扱う&.,cast(アンドキャスト)の職人が、地金の基本から、価格が決まる仕組み、純度表記の読み方、オーダー費用との関係、そして地金の売却・リフォームまで、素材のプロの視点で体系的に解説します。この一記事で、地金にまつわる疑問がひととおり解消できる「完全ガイド」を目指しました。

地金とは? ― まず言葉の意味から

地金(じがね)とは、加工される前の金属素材そのものを指す言葉です。「ぢがね」ではなく「じがね」と読みます。もともとは金属加工全般で使われる言葉で、めっきや装飾を施す前の下地の金属を意味します。

ジュエリーの世界では、地金は主に金(ゴールド)・プラチナ・銀(シルバー)といった貴金属の「素材としての金属」を指します。指輪やネックレス、ピアスといった完成品は、この地金を溶かして型に流し込む「鋳造(キャスト)」や、叩いて成形する「鍛造(たんぞう)」といった加工を経て作られます。

つまり、私たちが手にするジュエリーは、「地金」という素材が、職人の技術によって「作品」へと姿を変えたものです。地金はジュエリーの出発点であり、その価値の土台でもあります。

地金と「製品」の違い

ジュエリーの価値を考えるとき、「地金としての価値」と「製品としての価値」を分けて理解すると分かりやすくなります。

  • 地金としての価値:含まれる金属そのものの価値。重さ×相場で計算される
  • 製品としての価値:デザイン・ブランド・職人の技術・希少性などが加わった価値

たとえば同じ重さのK18の指輪でも、シンプルなものと精緻な彫金が施されたものでは、製品としての価値は大きく異なります。一方、地金としての価値は、含まれる金の量が同じなら基本的に同等です。

ジュエリーに使われる主な地金の種類

ジュエリーに使われる地金には、いくつかの代表的な種類があります。それぞれ特性が異なり、用途やデザイン、予算に応じて選ばれます。

金(ゴールド)

もっとも代表的なジュエリー地金です。純金(K24)は非常に柔らかく、変色や錆びに強いのが特徴です。ただし柔らかすぎて日常使いには向かないため、銀や銅などを混ぜて強度を高めたK18やK14が広く使われます。混ぜる金属の種類と割合により、イエローゴールド・ピンクゴールド・ホワイトゴールドといった色のバリエーションが生まれます。

プラチナ(Pt)

白く上品な輝きを持ち、変色にきわめて強い貴金属です。金よりも希少で、密度が高く重量感があります。金属として安定しているため、金属アレルギーが起こりにくいとされ、結婚指輪など長く身につけるジュエリーに好まれます。Pt900・Pt950といった純度で流通します。

銀(シルバー)

手ごろな価格で加工しやすく、アクセサリーに広く使われます。純銀は柔らかいため、銅を加えて強度を高めたSV925(スターリングシルバー)が一般的です。硫黄成分で黒ずみやすいという性質があり、こまめなお手入れが必要です。

&.,castで扱う主な金種

私たちの工房では、以下のような多様な金種の地金を扱っています。
シルバー系:SV925 / SV950 / SV1000
ゴールド系:K10YG / K18(イエロー・ピンク・ホワイト)
プラチナ系:Pt900 / Pt950 / Pt1000
その他:真鍮(しんちゅう)、希少金種各種
用途やご予算に応じて、最適な地金をご提案しています。

純度表記の読み方(K18・Pt900・SV925)

ジュエリーに刻印されている「K18」「Pt900」「SV925」といった表記は、その地金の純度(含有率)を示しています。読み方を知っておくと、ジュエリーの品質を正しく理解できます。

金の純度「K(カラット)」

金の純度はK(カラット)で表します。純金を24分率で表し、24分のいくつが純金かを示します。

表記 金の含有率 特徴
K2499.99%(純金)柔らかい・資産性が高い
K1875%強度と価値のバランスが良い・主流
K14約58.5%丈夫・比較的手ごろ
K10約42%丈夫・カジュアル向け

数字が大きいほど純金の割合が高く、資産価値も高くなります。一方で純度が高いほど金属は柔らかくなるため、日常使いのジュエリーではK18が「価値と強度のバランスが良い」として最も選ばれています。金種ごとの詳しい違いは、K24・K22・K18・K14・K10の違いを職人が解説の記事もあわせてご覧ください。

プラチナの純度「Pt」

プラチナは1000分率で純度を表します。Pt900なら90%、Pt950なら95%がプラチナで、残りはパラジウムなどの割金です。

  • Pt1000:純プラチナ(99.9%以上)
  • Pt950:95%。しなやかで加工性が良い
  • Pt900:90%。強度があり石留めに適する

銀の純度「SV」

銀はSV(シルバー)と1000分率で表記します。SV925なら92.5%が銀という意味です。

  • SV1000:純銀(99.9%)
  • SV950:95%
  • SV925:92.5%。スターリングシルバーとして最も普及

地金の価格はどう決まるのか

「金価格が高騰」というニュースを見て、地金の価格がどう決まるのか気になった方も多いでしょう。地金価格の仕組みを理解すると、ジュエリーの価格変動の理由が見えてきます。

国際相場が基準になる

金やプラチナは、世界共通の商品として国際市場で取引されています。ロンドンやニューヨークの市場で形成される国際価格が、世界中の地金価格の基準となります。この国際相場は、経済情勢・金利・地政学リスク・需給バランスなど、さまざまな要因で日々変動します。

為替レートが国内価格に影響する

国際相場は米ドル建てで示されるため、日本国内の地金価格には為替レート(円とドルの関係)が反映されます。同じ国際価格でも、円安が進むと国内の地金価格は上がり、円高になると下がる傾向があります。近年の国内金価格の上昇は、国際相場の上昇と円安が重なったことが大きな要因です。

金・プラチナ・銀で値動きが異なる

同じ貴金属でも、金・プラチナ・銀では価格の動き方が異なります。金は「安全資産」として経済不安時に買われやすく、プラチナは工業需要(自動車触媒など)の影響を受けます。銀は金より価格変動が大きい傾向があります。それぞれ異なる要因で動くため、常に「金>プラチナ」とは限らず、時期によって価格の逆転も起こります。

地金価格を調べたいときは

地金の最新価格は、貴金属を扱う地金商や取扱業者が「本日の店頭小売価格」として公表しています。金・プラチナ・銀それぞれ1グラムあたりの円価格で示され、平日は毎営業日更新されるのが一般的です。ご自身のジュエリーの地金価値を知りたい場合は、金種(K18・Pt900など)と重量(グラム)が分かると概算が可能です。

地金相場とオーダージュエリー費用の関係

オーダーメイドでジュエリーを作る際、費用がどう決まるのかを理解しておくと、予算計画が立てやすくなります。ここは実際にご相談を受ける中でも、よくご質問いただくポイントです。

オーダー費用は「地金代+加工賃」

オーダージュエリーの費用は、大きく分けて次の2つで構成されます。

  • 地金代=使用する地金の重さ(グラム)× その日の地金相場
  • 加工賃=デザイン・原型製作・鋳造・仕上げ・石留めなどの工賃

このうち地金代は相場によって変動しますが、加工賃は相場に左右されません。つまり、地金相場が上がっている時期は、同じデザインでも地金代の部分が高くなります。特に金やプラチナを多く使う大ぶりのデザインほど、相場の影響を受けやすくなります。

相場が高いときの選択肢

地金相場が高い時期でも、工夫次第で予算に合わせることができます。

  • 金種を変える:K18からK14へ、など純度を調整して地金代を抑える
  • デザインを軽くする:地金の使用量(重さ)を減らす設計にする
  • 手持ちの地金を活用する:古いジュエリーを溶かして再利用する(後述)

&.,castでは、ご予算に応じて金種やデザインをご提案しています。「相場が高い今、どう作るのが良いか」といったご相談も承っています。オーダーの流れはオーダーメイドジュエリーの流れの記事もご参照ください。

古い地金は再利用できる ― リフォームと売却

使わなくなったジュエリーや、古くなった指輪。これらに含まれる地金は、多くの場合再利用や換金が可能です。地金の価値を活かす方法を知っておくと、選択肢が広がります。

リフォーム ― 地金を活かして作り替える

古いジュエリーを溶かして、新しいデザインに作り替えるのがリフォームです。思い出の詰まった地金をそのまま活かせるため、「形見の指輪を今の自分に合うデザインにしたい」といったご要望に応えられます。地金の価値分を新しいジュエリーの費用に充当できるため、地金相場が高い時期には特に有効な方法です。

ただし、リフォームには金種の正確な判別が欠かせません。刻印が消えていたり、複数の金属が混在していたりする場合は、専門の工房での確認が必要です。&.,castでは、5ミクロン精度の3Dスキャンを活用し、元の形をデータで保存してからリフォームすることも可能です。

売却 ― 地金の価値を現金化する

ジュエリーを手放す場合、地金としての価値を買い取ってもらう方法もあります。この場合、査定額は主に「金種 × 重量 × その日の相場」で決まります。デザインやブランド価値は基本的に反映されにくいため、製品として価値のあるものは、地金としての売却が最適とは限りません。

「地金は、ジュエリーの土台であると同時に、次の作品へと生まれ変わる素材でもあります。おばあさまの指輪を溶かして、お孫さんの指輪に作り替える。そんなふうに、地金は世代を超えて受け継がれていく。私たち職人は、その素材が持つ価値と物語の両方を大切にしながら、仕事をしています。」

― &.,cast 技術責任者

よくある質問(FAQ)

Q. 地金(じがね)とは何ですか?

A. 地金とは、加工される前の金属素材そのものを指す言葉です。ジュエリーの世界では、金・プラチナ・銀といった貴金属の「素材としての金属」を意味します。指輪やネックレスは、この地金を鋳造などで加工して作られます。

Q. K18とはどういう意味ですか?

A. K18は金の純度が18金であることを示し、全体の75%が純金、残り25%が銀や銅などの割金です。Kはカラット(純度の単位)を表し、K24が純金(100%)、K18は75%、K10は約42%の金を含みます。

Q. 地金の価格はどのように決まりますか?

A. ロンドンやニューヨーク市場で形成される国際相場をもとに、為替レート(円とドルの関係)を反映して国内価格が決まります。金やプラチナは世界共通の指標で日々変動し、経済情勢や需給バランスの影響を受けます。

Q. オーダージュエリーの価格は地金相場で変わりますか?

A. はい。オーダー費用は「地金代(金属の重さ×相場)+加工賃」で構成されるため、地金相場が上がると地金代の部分が増えます。加工賃は相場に左右されません。

Q. 古いジュエリーの地金は再利用できますか?

A. 多くの場合、リフォームによる再利用が可能です。古い指輪を溶かして新しいデザインに作り替えたり、地金の価値分を新しいジュエリーの費用に充当したりできます。金種の判別が必要なため、専門の工房への相談をおすすめします。

まとめ ― 地金を知ると、ジュエリーがもっと分かる

地金は、ジュエリーの価格・品質・価値のすべての土台となる存在です。地金とは加工前の金属素材のことであり、その価値は「金種(純度)×重量×相場」で決まります。ジュエリーの価格は「地金代+加工賃」で構成され、地金代は国際相場と為替の影響で日々変動します。

地金の知識があれば、ジュエリーを選ぶときも、リフォームや売却を考えるときも、より納得のいく判断ができるようになります。とくに地金相場が動く今の時代、こうした基礎知識は大切な資産を守る力になります。

&.,castでは、地金の選び方からオーダー、リフォーム、素材のご相談まで、御徒町の工房から素材のプロとして丁寧にお応えしています。「自分のジュエリーの地金価値を知りたい」「相場が高い今、どう作るのが良いか相談したい」といったご相談も、お気軽にどうぞ。ジュエリー製作のご相談は andcast-tokyo.jp からお待ちしています。

この記事をシェア

地金・素材・リフォームのご相談はこちら

地金の選び方、オーダー費用のご相談、古いジュエリーのリフォーム、地金価値の確認など、素材に関することは何でもお任せください。御徒町の工房から、多様な金種を扱う素材のプロが、あなたに最適なご提案をいたします。

お問い合わせ・ご依頼
← ブログ一覧に戻る
LINEで相談気軽にどうぞ