&.,castのキャスト納期は、通常4営業日です。「溶かして流すだけなのに、なぜ4日もかかるの?」と聞かれることがありますが、実は4日間のほとんどは、金属を流す前の準備と、流した後の確認に使われています。
この記事では、ロストワックス鋳造の工程を1日ずつ追いながら、4営業日の中身を紹介します。工程を知っておくと、急ぎのときに何を準備すれば早くなるのかもわかります。
4営業日のおおまかな流れ
下の表は一般的な割り振りの目安です。ご依頼の量や金種、工房の状況によって前後します。
| 日程 | 主な工程 | ここで確認していること |
|---|---|---|
| 1日目 | 受付・原型の検品・ツリー立て・埋没 | ワックスの欠けや薄い部分、依頼書の内容、必要な地金の量 |
| 2日目 | 焼成(脱ろう)・鋳込み | 炉の温度管理、金属の温度、流し込みの状態 |
| 3日目 | 割り出し・洗浄・湯口カット | 石膏の取り残し、湯回り、巣(小さな穴)の有無 |
| 4日目 | 検品・梱包・お引き渡し | 形状・寸法・数量の照合、不良品の選別 |
1日目:原型を受け取り、石膏に埋める
原型の検品
まずお預かりした原型(ワックスや3Dプリント品)を確認します。欠けやヒビ、薄すぎる部分があると、そこから金属が流れきらずに欠けてしまいます。気になる点があれば、作業に入る前にご連絡します。
ツリー立てと地金の計算
原型に湯道(金属の通り道)を付け、木の枝のように1本の芯へまとめていきます。これを「ツリー」と呼びます。ツリーの重さから、必要な地金の量を計算します。ワックスの重さに金属ごとの比重をかけると、おおよその地金量がわかります。目安として、シルバーはワックスの約10倍、K18は約15倍、プラチナは約21倍の重さになります。
埋没
ツリーを筒(フラスコ)に入れ、鋳造用の石膏を流し込みます。石膏の中の気泡を真空で抜き、しっかり固まるまで置いておきます。ここで急ぐと、石膏が弱いまま次の工程に進むことになり、表面の荒れの原因になります。
2日目:ワックスを焼き飛ばし、金属を流す
固まった石膏を炉に入れ、段階的に温度を上げていきます。ワックスが溶けて流れ出し、残りも焼き飛ばされて、原型と同じ形の空洞ができます。これが「ロストワックス(ワックスを失う)」の名前の由来です。
焼成には数時間かかります。温度を一気に上げると石膏が割れたり、ワックスが残ったりするため、時間をかけて上げることが仕上がりを左右します。焼成が終わったら、溶かした金属を空洞に流し込みます(鋳込み)。
3日目:石膏を割り、製品を取り出す
冷ました石膏を水で崩して製品を取り出し(割り出し)、洗浄して表面に残った石膏や酸化膜を落とします。その後、ツリーから一つずつ切り離し(湯口カット)、製品の形になります。
4日目:検品してお渡し
最後に、形状や寸法、数量を依頼書と照らし合わせます。巣や湯回り不良がないかも1点ずつ確認し、問題がなければ梱包してお引き渡し、または発送します。不良の種類と原因は鋳造の不良品を防ぐの記事でくわしく解説しています。
なぜ「もっと早く」が難しいのか
石膏が固まる時間と、炉で温度を上げる時間は、材料の性質で決まっています。ここを削ると、表面の荒れ、巣、湯回り不良が増え、結局は作り直しで日数がかかってしまいます。4営業日は、品質を落とさずに作業できる日数です。
金種によって納期が変わる理由
| 区分 | 納期の目安 | ヘリ(地金の目減り) | 対応金種 |
|---|---|---|---|
| 通常キャスト | 約4営業日 | 2% | SV925・SV950・SV1000・真鍮・K10YG・K18・Pt900・Pt950・Pt1000 |
| 量産キャスト | 約4営業日〜 | 1.8% | 200g以上または同型20個以上 |
| 希少金種 | 約3週間 | 個数計算 | K10PG・K10WG Pd3%・Pt900Ru2%・Pt950Ru2% |
通常の金種は、工房で日常的に鋳造しているため4営業日で対応できます。一方で希少金種は、材料の手配が必要になるため約3週間いただいています。金種ごとの工賃はキャスト工賃表に掲載しています。
納期を短くするためにできること
- 依頼書を同封する:キャスト依頼書があれば、確認のやりとりなしで1日目の作業に入れます。
- 原型をしっかり作る:薄すぎる部分や欠けがなければ、原型の修正にかかる時間がなくなります。
- ゴム型をお預けいただく:定番品は型をお預けいただくと、追加注文のときに工程を短くできます。
- 日程は先に伝える:締切がある場合は、ご依頼前にLINEやお電話(03-6284-3745)でお知らせください。
まとめ
キャストの4営業日は、検品、ツリー立て、埋没、焼成、鋳込み、割り出し、検品という工程を、品質を落とさずに進めるための日数です。希少金種は材料の手配があるため約3週間かかります。
工程を知っておくと、急ぎのときに何を準備すればよいかが見えてきます。日程が決まっているご依頼は、お早めにご相談ください。
よくあるご質問
Q. キャストの納期はどのくらいですか?
通常のキャストは約4営業日、量産キャスト(200g以上または同型20個以上)は約4営業日〜が目安です。希少金種(K10PG・K10WG・Pt900Ru2%・Pt950Ru2%)は約3週間いただいています。
Q. もっと早く仕上げてもらうことはできますか?
お急ぎのご依頼は要相談です。石膏の硬化や焼成は時間を縮めると不良の原因になるため、むやみに短縮はできませんが、依頼書をそろえる、ゴム型をお預けいただくなどで全体の日数を短くできることがあります。
Q. 4営業日には仕上げや石留めも含まれますか?
4営業日はキャストの目安です。仕上げ・石留め・メッキ・刻印などを追加する場合は、内容に応じて日数が加わります。お見積りの際にご案内します。
